つつのんの気まぐれ日記

アラカン女子の複雑怪奇な頭の中を書いていきます。

いらなくなった金やプラチナを売る前に知っておきたい簡単なこと

今日、貴金属を売りに来たお客様がいた。初老の男性だ。口ヒゲはないが、何となく藤竜也に似ている。渋い。別にタイプではない。

 

この偽藤竜也、買取カウンターにナイロンの袋をポーンと置き

 

「いくらになる?」

 

なかを取り出してみると、絡まったネクレスや、指輪、イヤリング、ブローチなど・・・・

全部で18点。

 

うちは、本業は金券ショップ、古物商である。

 

古物商って、色々商品扱えるのよ。

 

てなことで、金とプラチナの買取もやっている。

 

別に、買ったプラチナを店頭で売るわけではない。買ったらすぐに業者に転売する。だから買取は、商品としての買取ではなく地金としての買取である。

 

指輪やネクレスにダイヤがついていたとしても、石に値段がつくことはない。むしろ貴金属の買取はこのタイプの店が多いと思う。ただ一部のお店では、石も査定してくれるし、ブランドなんかもちゃんと計算に入れてくれるお店もある。

 

じゃあ、この石まで買ってくれるお店がいいの?

 

一概には言えない。

 

貴金属の買取は、びっくりするほど値段に差が出る。小粒のダイヤなら、石に値段をつけてくれたとしても、買取率が低ければやはり安い。石を捨てても地金だけ買取りするところが高い場合はよくある。石の価値にもよるけど。

 

で、話を戻すと…‥

 

偽藤竜也が持ってきた宝飾品、買い取り対象になったのは、6点のみ。

 

「安くていいから、全部買ってよ」

 

と、言われたが・・・・・・・・買えないんだよ、金やプラチナじゃないと。

 

丁寧に説明して、買えないものはお返しした。

 

「買ってもらうのに手数料はいるの?」

 

と聞かれたので、

 

「いいえ、手数料は頂いていません。査定も無料でさせていただいてますよ。」

 

当たり前だ。しっかりと買取率にぶち込んであるからね。うちの買取は、その日の相場の70%。

 

何とも安い‥‥でもうちより安い店はザラにある。

 

お客様の中には、換金手数料はいらない、査定は無料とくれば、気を良くして下さる。

 

そこがミソなのよ。

 

まず査定と言っても、査定とか鑑定とか言うのもハバカレルほど単純なものだ。

 

金やプラチナには、多くの場合造幣局お墨付きのホールマークなるものがある。

 

金だったら、K24とか、K18とかプラチナだったら、pt950とか、pt900とか、インゴット(延べ棒)や金貨だったら、999.9とかFINE GOLDとか。

 

ホールマークは品位の証明なんだね。

 

Kは金のことで、ptはプラチナのこと。そして、数字は純度を示すものだよ。

 

金の表示には、アトkなるものもあって、18kとか24kとか表示されるものもあるよ。


うちの店の場合、買取の目安は、このホールマークだ。 

 

ややこしいことに、このホールマークがなくても本物の金やプラチナもあるにはある。

 

だが、うちのような「にわか鑑定士」には、そんなものは見分けがつかない。

 

買取店は、このホールのマーク表示で買取をやっているところが多いと思う。

 

もちろん、金買取の実績のあるお店になると、表示のない金やプラチナも経験を積んだベテラン鑑定士が、目利きや比重計などでしっかりとした査定をしてくれる。

 

うちに来るお客様は、貴金属を売りに来る時、ご自分でグラムを計ってくる人は、まずいない。普通の家庭にあるのは体重計かアバウトなクッキング用の計りぐらいだからね。

 

しかも、金の相場もあまり考えていない人が多い。中には、金なのかプラチナなのかも分からずに、お持ち下さる人もいる。

 

偽藤竜也もどうやらこのタイプのようだ。

 

金額を表示した電卓を見せると、

 

「イイよー」

 

とあっさり。

 

ご満足げに帰って行かれた。偽藤竜也が手にしたのは72000円ほど。

 

さすがに、男性がジュエリーを売りに来るケースは少ない。

 

で、いったいこのジュエリーって誰のだ?

 

余計なお世話だが、気になる。

 

金を売りたい人には、おおざっぱに分けると二通りあると思う。

 

①金を資産と考えており、又は換金性の高いものとしっかりと認識しており、できるだけ高く売りたいと考えている人。

 

②飽きて不要になった。デザインが古く、使えない。又は壊れてしまっって、本来の用途の機能を失っているため、換金したい。

 

うちの場合、②のお客様が多い。

 

切れたネクレス、ブレスレット、壊れた指輪、片方だけのピアスやイヤリング、プレゼントしてもらったけど趣味が合わなかったり、思い出自体を処分したいイニシャルの入りのリングなど。

 

但し、買うのは金やプラチナ。

 

ちょっと珍しいけど、金歯なども買取している。さすがに、金歯は自分で持ってっても利用価値ないからね。お祖母ちゃんの金歯があったら、売っちゃおう。

 

金やプラチナのいいところは、何十年たってもその価値を失わないところ。

 

見渡せば、金やプラチナを買うところは多い。

 

金を売るなら、一昔前だと専門業者が一番いいと言われたものだけど、最近ではそうとばかりは言えない。

 

金は、専門業者の他にリサイクルショップ、質屋、金券ショップ、ジュエリー店など多種の店が買取をやっている。(この業種だからと言って、どこの店舗でも買取するわけではない!)

 

そしてその買取率は、お店によってかなり違う。高いところと安いところで、その差は半値近くも違ったりすることもある。

 

うちの近くには2件の買取店ある。一つは、洋服から日用品まで幅広く買取をやっているリサイクルショップ、もう一つは、貴金属買取専門店。どちらもアチコチに店舗を持っている。

 

で、どっちが高く買取してくれると思う?

 

意外なことに、リサイクルショップの方が高い。一方貴金属買取専門店は、不思議なことに、うちより買取率が低かった。ロイヤリティが高いのかもね。

 

この高い値をつけるリサイクルショップの方は、その日の金の買取金額を堂々と店頭表示している。やっぱり、金の買取に自信のあるお店は違う。独自の販売ルートを持ち、ジュエリーなどは、自店でメンテナンスを行いすぐに店頭に出しているからこそ、高く買い取りができるんだろうね。

 

うちなんか、「グラムいくら?」と聞かれても答えない。

 

「金の相場は、日によって変動しているものなんで、お持ちいただいてからお値段お出ししてます。金の純度によっても違います。お気軽に皆さんお持ち頂いてますますよ」

 

などと、テキトーに答えている。

 

こんなお店には気を付けよう。大概安い。

 

別に、リサイクルショップであれば、どこでも高く買取していると言うつもりはない。

 

ただ、最近は、扱っている店が、多種多様だ。

 

いったいどこに持って行ったらいいのか?

 

素人が見分けるのは難しくなっているのが現状だ。

 

金を高く売りたいなら、その日の金の値段を店頭公開しているところ!としか、言いようがない。せめて、グラムいくら?ぐらいは答えてくれる店がいい。

 

おまえが言うな!

 

せめて、数件は回って比べてみることをおススメする。

 

かと言って、持って行く前には、それがホントに金なのか、それともプラチナなのかぐらいは、知っておこうね。

 

目安はホールマーク。

 

k24     金100%                           

k22     金91.7%             

k21     金90%                   

k20     金83.5%               

k18     金75% 

k14     金58.5% 

k10     金41.6% 

k9       金37.5  %

 

pt1000     プラチナ100%

pt 950      プラチナ95%

pt 900      プラチナ90%

pt 850      プラチナ85%

 

 

横の%の数字は純度、K24で金100%。pt1000でプラチナ100%。ホールマークの表示によって、金やプラチナの含有量が分かるようになっている。

 

グラムいくらと聞いて答えてくれるのは、通常、純度100%の値段だ。聞くときは、「18kだったらいくら?」とか、純度を示して聞こうね。

 

もちろんそれぞれ表示によって、金やプラチナの含有量が違い、数字が下がる程、値段は下がる。

 

上記を見て分かるように、一口に金やプラチナと言っても、含有量に様々なバージョンがある。

 

通常、宝飾品などの加工品には、純金は柔らかすぎて向いていない。だから、金以外の胴や、銀、パラジウムなどを混ぜて強度を補い適当な硬さに調整したうえで、加工されているんだよ。

 

例えば、k18だったら、75パセントの金が使用されているってわけね。

 

で、それって買い取りした後どうなってるの?先日お客様から聞かれた質問だ。

 

金は買い取った後、デザイン性の高いものや石のついたものなどは、磨きをかけ、一通りのメンテナンスをした後店頭に出す場合もある。

 

だが、多くの場合、金は一度溶解し、混ざったほかの金属と分解して純金に戻し、投資目的ののべ棒や宝飾品や工業用品に何度でも生まれ変わっているんだね。

 

じゃあ、ジュエリーのホールマークの刻印の場所ってどこ?

 

指輪……指が触れる内側の部分

ネクレス、ブレスレット・・・・・・留める金具の部分やだるまと言われるプレート部分

ピアス・・・・・・・本体軸の、ポストとキャッチそれぞれに刻印があるのが一般的。

ブローチ・・・・・・・背面や針の部分。

 

でも、このホールマークも100%じゃないんだよ。偽物もあれば、東南アジア辺りで買ったジュエリーには、表示より純度の低いものがある。でも、日本のちゃんとしたお店で買ったものなら大丈夫だから安心してね。

 

あと、金と間違えやすいものに金メッキがあるよね。偽物なんて言い方するけど、別にこれは偽物とは言わない。金メッキは金メッキの表示がある。ただそれを金だと勘違いする人は結構いるみたい。

 

「GP」が金メッキで、「GF」は金張りで、地金としての価値はゼロ。どこも買取はやってくれないよ。

 

金杯の底の部分に24KGPなんて文字が入っていたら、これは間違いなくメッキだから。

 

宝飾品のメッキの表示の仕方も、k18GPとk24GFとかあって、結構紛らわしい。

 

「GP」「GF」の文字が入っていたら、メッキだと覚えておこう。

 

よく、いい人だった人が、急に豹変して、とんでもないことをやったりすると、メッキが剥がれたなんて言うよね?

 

これと一緒だよ。価値はない。

 

世の中には、売れるような貴金属なんて持っていない!そう思っている人がいる。

 

でも、意外とあったりする。

 

一度ホールマークがあるか確かめてみて。

 

もし、それがもう使っていないジュエリーなら、金の相場が高い今が売り時かも!