つつのんの気まぐれ日記

アラカン女子の複雑怪奇な頭の中を書いていきます。

会社に行きたくないと泣いてた人が無敵になった理由が知りたくて

会社に行きたくないと泣いてた人が無敵になった理由が知りたくて、小学館クリエイティブ発行の「会社に行きたくないと泣いてた僕が無敵になった理由」という本を読んだ。

 

著者は通称かとちゃんこと、加藤隆行さんだ。平成15年に独立され、現在は心理カウンセラーとして、東京を中心にカウセリングやセミナーなどを開催されている。

 

この本は、かとちゃん(おこがましいが、かとちゃんと呼ばせていただく)の1作目の本である。駆け出しと言えば、駆け出しだが、それでもこの無敵本、本を読まなくなった人がこれだけ多いのに再重版されている。売れてんだね。

 

それだけ会社に行きたくない!と思い悩んでる人がいるってことかも。

 

今では無敵人生を歩むかとちゃんも、かつては普通のサラリーマンだった。

 

「会社に行きたくない・・・・」

  

かとちゃんは20年の会社員生活の間に3回も休職をされている。

かとちゃんはそんな弱い自分を何とかしたくて、たくさんのビジネス書や自己啓発書を読まれたそうだ。

 

これをやる人は多いと思う。私も何かに悩んだ時、何か助けが欲しいとき、必ず本に答えを求める。アマゾンでノウハウ本を探し求めるのだ。

 

そして、立派なノウハウコレクターになる。これはタチが悪い。何でも知ってるつもりになるから、ひとの助言を聞かなくなる。

でも、世の中こういう人は多い。

 

でもかとちゃんは違った。生真面目な人だったのだろう。

 

本を読んでは、実践して改善を試みる。一時的にはよくなるが、また元に戻る。うまくいかないもんだ。

 

ところがある時、かとちゃんはふとあることに気が付いた。そのあることとは自己肯定感が低いと人間関係はうまくいかない。自分に足りなかったのは、能力とか、メンタルの強さではなく自己肯定感であることに。自分にOKを出すことこそ大切なのだと。

 

自己肯定感を育むことによって無敵になる。一つの気づきがかとちゃんを変えた。

 

いやな上司や同僚との関係も良好になり、自分の周りの世界が変わったのだ。

 

この本にはかとちゃんの世界を変えた、自己肯定感を育む方法がびっしりと紹介されている。

 

それでは自己肯定感というのは何だ?

 

文字そのまんまだ。自分を肯定すること。すなわち自分を否定しないこと。ありのままの自分を受け入れることだ。

 

仕事に行けなくなる人って、自分を否定し続けた人かもしれないな。

 

いつも犠牲者になる、いつも上司に怒られる、いつも同僚と衝突する。いつも仲間外れにされる、いつも人に笑われる・・・・・

 

なぜ自分だけ・・・・・・

 

そう、きっと自分が悪いからだ。きっとそうに違いない。私には足りないもんがある!それを手に入れさえすれば、人は私を大切にしてくれすべてうまくいく!

 

そうあなたが思っているなら・・・・

 

それは違うよ‥‥人があなたを大切にしてくれないのは、あなたが幼稚園の音楽会でいつもカスタネットしかやらせてもらえなかったからでもないし、学芸会でセリフのない群れの村人役をやらされたからでもない。中学の部活動で万年補欠だったからでもないし、そうレベルの高くもない高校受験に落ちたからでもないし、彼女彼氏いない歴50年だからでもない。増してやお昼のお弁当におかずが2品しか入っていないからでもないし、いつも安物のバックをぶら下げているからでもないし、薄毛になってきたからでもないし、節約のために3日に1度しかお風呂に入らないからではない。

 

誰の話だ?

 

そんなこと、かとちゃんは言ってないだろ?

 

うん、そんなあからさまなことは言ってないな・・・

 

でも、これ、人によっては立派な自己否定につながったりしないか?

 

それでさえも・・・そんな自分にOKだしな。風呂には毎日入った方がいいけど。

 

かとちゃんならそう言ってくれるだろう。

 

自己否定をやめること!それがスタートだ。

 

世の中には、あまり反省しない人がいる。反省しないのは、自分が悪いとは思ってないからだ。たいがい悪いのは相手だったり、ただの偶然の不都合な出来事であって自分ではないという思考回路の人。

 

時々思ったりしないか?こういう人の人生って意外とうまくいってんんだよね。友達もたくさんいてさ、わがままいってるのに、周りも「あいつ言っても聞かないからさー」なんて、調子合せたりして、しかも合わせた人達が結構イヤじゃなさそう。

 

こうやって人を自然に巻き込んでいく人って、自己肯定感が高いんだろうね。体育会系の人って、なんだかこういうタイプ多いよね。

 

うちの会社にもいる。声がでかく、つま先から頭まで筋肉で出来てるような体育会系。就業時間近くになると、「腹減ったー、早く帰りてー」と叫ぶアホな奴。彼はまだ若い。26歳。上司から「ボケッ、ちゃんと仕事しろ!」と怒鳴られているが、ケロリとしている。しかも周りの笑いを誘い、明るい雰囲気を醸し出す。

 

絶対こいつ会社行きたくないなんて思うことないだろうな、せいぜい思ったとしても前日飲みすぎて頭が痛いとか、社内にいる彼女に振られた時(本当に休んだ!)ぐらいのもんだろうな。

 

そういえば、別フロアの総務課の元カノが会社を辞めていなくなったのをいいことに今度は配送課の〇〇ちゃんといい仲だとか、ちょっとしたウワサがある。

 

全く懲りないやつだよ。多分このアホ、肯定感が高いのかもしれない。普通社内で振られたら、次は社内恋愛はしないよな。

 

この前、女性主任がその彼にデーター上の訂正を頼んだら、12個のうち、2個も間違っていたらしい。「注意力が足りない!」「〇〇さんのミスで営業課の人達が駆けずり回ることになるんですからね」「取引なくなったらどうするんですか」「配送課の人たちだって、やり直しが出るんですよ」「もうちょっと真面目に仕事して!」など、コテンパンに言われていた。偶然、データが送信される前に見つかって危機はひとまず回避されたのだが・・・・・

 

さすがの彼も神妙な顔をしている。このミス、データーが送られていたら結構ヤバかった。私なら、相当落ち込むだろう。それを2つもやらかしている。

 

5分後彼は急にフロアーからいなくなった。

 

「落ち込んでどっかで泣いてんじゃない?」

 

誰かがそういった。みんながクスクス笑う。

 

あいつはそういう玉じゃない。誰もが知っている。

 

案の定、彼は何事もなかったかのように平然とした顔で戻ってきた。ナイロンの袋を提げて。そして席に着くと袋の中のものを取り出しムシャムシャと食べ始めたのだ。カレーパンだ。彼は社内の売店に行ってたのだ。うちの会社は仕事中にモノを食べてもほとんど何も言われない。

 

「なんでパン食べてんの?」と、私は隣の同僚に問いかけた。何でミスをやらかした後なのにパンなんか食べていられるんだ?といった意味合いで聞いたつもりだ。

 

それなのに、

 

「お腹すいてんじゃない」と同僚は軽く答えた。

 

何と、的を得た答えだろう。彼はさっき怒られたばかりだ。それなのにお腹がすく。そして、そのお腹を満たそうとパンを頬張る。どこまで自分の欲求に忠実なのだ。私は感動した。

 

どれだけの人間がこの行為ができるだろう。普通怒られた後は、お腹など空かない。仮にお腹が空いても、怒られた後にパンを買いに行く度胸はない。人によっては「なんでこんなバカなミスをしてしまったんだろう、私のバカ、バカバカバカ!みんな心の中で笑っているだろう。主任も私をダメな奴だと思っているだろうな。やっぱり私にはこの仕事むいてないんだ・・・・・」とか自己否定の無限ループに陥る人もいるだろうに。

 

彼は、反省してないのだろうか。いや反省はしただろう、彼が怒られた時の神妙な顔は彼がめったに見せない顔だ。

 

だが彼にとっては、それはそれ、カレーパンを頬張ることとは繋がっていないのだ。

 

そして、私は目撃した。

 

あれほど怒っていた女性主任がパンを食べる彼を見て、机に肘を立てオデコに手のひらを置き顔を隠すようにうつむいていた。肩が震えている。こらえきれずに笑っていたのだ。

 

要するに憎めないのだ。彼という人物は。

 

彼もまた、無敵なのかもしれない。ただのアホかもしれないけど。

 

それでも、少なくとも彼は自分にOKを出している人間だと思う。

 

かとちゃんは2度目の休職をしたとき、コミュニケーション能力が高く軽やかに仕事をしている同僚や上司をつかまえては、そのヒントがないか事情徴集したそうだ。しかし彼らからは「真面目すぎなんだよ」「もっと気楽にやればいいじゃん」とか曖昧なコトバしか返ってこなかった。それでも、たくさんの人に聞いてみて共通することが一つだけあった。

 

彼らは・・・・・

 

「私がこう考えているのだからそれでいい」

つまり「自分にOKが出せている」

 

自己肯定感とは「ありのままの自分でOK」と感じられる状態のことだ。

 

この自己肯定感が高まれば敵がいなくなる!と、かとちゃんは言っている。

 

あなたの職場にも敵がいっぱいいない?

会社に行きたくないと布団から出れない日はない?

やりたくもない仕事を引き受けていない?

同僚から意地悪されてない?

 

それなのにがむしゃらに頑張るあなたに、読んで欲しい一冊だ。