つつのんの気まぐれ日記

アラカン女子の複雑怪奇な頭の中を書いていきます。

若者より多い中高年の引きこもりは何で起こるの?

 

内閣府の調査(平成30年)によると40~64歳までの引きこもりは、人口推計4235万人に対して、61、3万人にも及ぶという。

 引きこもりの定義は、社会参加をせず6か月以上にわたり家庭にとどまり続けている状態のことだが、この統計は、スーパーやコンビニ、または趣味に関する外出も含まれていていて広義の引きこもりが対象だ。

 

引きこもりになったきっかけというのが

1、退職したこと。(36、2%)

2、人間関係でうまくいかなかった(21、3%)

3、職場になじめなかった(19、1%)

4、その他(14、9%)

5、特にない(8、5%)

 

この統計で最も注目すべきは、始めて引きこもり状態になったのは何歳のころですか?という質問に対してである。

1、60歳~64歳(17%)

2、25歳~29歳(14、9%)

3、20歳~24歳(12、8%)

  40歳~44歳(12、8%)

4、55歳~59歳(10、6%)

 

どの年代でも引きこもりが起こるのがわかる。

 

この統計は、40歳から64歳の統計であり、今や若年層の前回の調査統計の54万人を超えているとか。いまや中高年の引きこもりは社会問題だ。

 

と、ニュースではやたらと言っているが・・・・

 

問題は、そこ?

 

 今、中高年になった人の親の価値観といえば、「いい学校に入って、いい大学に行って、大企業に就職することが子供の幸せ」みたいな固定されたものだったように思う。それが、変わった。いい大学を出ても就職にあぶれることもあるし、大企業にうまく就職しても潰れることだってある。

最近、大企業の45歳以上に対して退職勧告が行われているというニュースをちらほら聞くようになった。別に経営状態が悪いわけでもないのにやっている企業もあるというから驚きだ。昔の経営者は、自分の会社の従業員の生活を守るという使命感も持っていたように思う。もっと、社会全体を考えて経営をしていたように思う。最近の経営者は、自分の会社の利益しか考えなくなったのだろうか。昭和から平成、令和と会社を取り巻く環境はは大きく変わっている。シビアな方へシフトしているかのようだ。

 

私は、バブル世代のちょっと前のしらけ世代である。私の世代背景はしらけとは言われていたけど、みんなが上を向いて生きていた。1億総中流意識の中で、ちょっとだけ人より抜きんでたい。そんな意識ではなかったか?一番安定していた時代だったのかな?

統計によると、引きこもりのきっかけは退職、人間関係、職場になじめないとか、ほとんどが会社で起こっている。

 働き方革命と叫ばれる中、労働環境は驚くほど改善したはずだ。私らの20代って、週休2日なんて夢のまた夢だった。その頃はまだ、銀行と市役所が、半ドンと言って、土曜が午前中だけの営業で、どんなにうらやましかったことか。労働時間の長さで言えば、圧倒的に昔の方が長い。 労働時間は減ったけれど、その一方で違法労働で人を使いつぶし、従業員の人権を無視したブラック企業などがでてきた。

 

各企業でもパワハラ、セクハラなどに敏感になり、様々な対策が取られていると思うが、一向に減らないパワハラ、セクハラ。

モラハラ、ジタハラ、マタハラ、エイハラ、リスハラ・・・・など新しい言葉だけが増えていく。なんとこのハラスメント用語は50種類以上あるのだそうだ。オカハラと聞いた時はさすがに笑った。オカハラとは、お菓子ハラスメントの略で、職場で、特定の人だけお菓子を配らないとか、無理やりお菓子を食べさせることらしい。

ホントに笑って済ませるような話だが、やられた本人はたまったもんじゃない。コレ、うちの会社でもある。うちの場合は、お菓子を配らない方だ。子供じみた意地悪だが、それを楽しんでやるアホがいる。

会社の中には、ハラスメントをする人、される人、そして傍観者がいる。傍観者は、二次被害を恐れ声を上げない。

そこで、昔なら管理職がうまくとりなす役目をするのだが、人柄が昔ほど重視されない今の能力主義?は、仕事と結びつかないいざこざには目をつむる。それどころか、強い立場の管理職自らが弱い立場の人間をこき下ろす現場を幾度目にしただろう。

 

会社が寒い場所になっている。シベリアのような人間関係の中みんなが寄り添えば、少しは寒さも安らぐだろうに、それができない。寒さに弱い人が家に引きこもって、冷たい風から逃げたくなるのもわかる。

 

そして

 

ちょっと休もう、私は疲れているのだ・・・…退職

 

しばらくは失業保険と退職金で何とかなる・・・・

 

そして、

 

何とかならない日がやってくる。失業保険の終わりと乏しい預金残高まではあっという間だ。

 

一向に突破できない再就職の壁。10社も面接落ちりゃ大概心は萎える。

 

それでも孤軍奮闘してランクまで落として、

 

派遣やパートで働き始めたとしても・・・・・

 

そこで自分の子供ぐらいの年齢の若いおにーちゃん、おねーちゃんにこき使われる。

 

もっと自分の能力を生かせる場所がある!自分はこんな雑用をする人間ではない。経験豊富な中高年ほどそう思うだろう

 

たとえ、パートや派遣で正社員と同じ仕事をしたとしても、責任だけが重くなり、手柄は社員行きだもんね。

 

もう仕事なんてやってらんない!そう思っても何ら不思議ではない。

 

働き方革命で労働条件はどんどん良くなっているかのように思えるが、良くなればなるほど、その恩恵を受けれないパートや派遣との差は広がる一方だ。

 

この社会的構造こそ変えなくてはいけないのではないか?

 

いっそ、法定労働時間社員と短時間労働社員の2択にすればいい。派遣社員や準社員や契約社員などわけわからないようなのは全部撤廃だ。パートもいらない。学生のためにアルバイトだけは残しておこう。

  

中高年の引きこもりの男女比率は、9;1と圧倒的に男性が多い。

女性の場合、仕事をしなくても家事手伝いという大義名分により、表面化されないというのもあるだろうな。

でも本当の理由は、男性が昔ほど優位に立てなくなったからではないのか?と思う。

中高年になると、その子供時代は「男なんだから泣くな!男は強くなくちゃいけない。男は弱い女、子供を守るんだ」そう言って育てられなかったか?

 

それがここにきて、男女平等だ。

 

聞いてねーし!そりゃそうだろうな、あの時代予想しなかったことだ。

 

男は強くあるべき!そんな風に期待されてきた中高年の男たちは、自分より優秀な女が世の中にはたくさんいるという現実に耐えられないのだ。

昔だったら、会社という場所において男の方が圧倒的に優位だった。しかも年功序列が当たり前で、年配者としてのプライドも守られていた。

 

どっちもなくなってきてるからねー

 

中高年男性のプレッシャーは想像以上に大きいのかもしれないね。

 

引きこもりは、それを起こさせる今の社会構造にこそ問題がある!

 

引きこもりというのは、そんなどうにもならない社会への

彼らなりの声なき異議申し立てなのかもしれないな。