つつのんの気まぐれ日記

アラカン女子の複雑怪奇な頭の中を書いていきます。

マインズアイ(心の目)とストレスの関係、使い方次第で良くも悪くもなるマインズアイとは?

マインズアイという言葉を知っているだろうか?

 

マインズアイとは簡単に言うと心の目のこと。

目の前にないものを見る能力、体験していないことを今体験しているかのようにリアルに感じる能力のことだ。子供の頃の思い出に浸ったり、夢を描くこともマインズアイの働きだ。

 

日本では馴染みのない言葉だけど、心の中にイメージを描くことと言えばより分かりやすいかもしれないね。これだとぐっと身近になる。

 

このマインズアイを超常的なものとしてとらえる人もいるが、私は、程度はそれぞれだけど誰にでもある能力だと思う。

 

よく、マインズアイの人の特徴として、「手の平のケーキが見えますか?」というのがある。もちろんないはずのケーキだ。それを見て触って味わって、臭いがが嗅げますか?って。別にケーキじゃなくても、リンゴでも何でもいい。本当に目の前にあるかのようにリアルに鮮明にイメージできることがマインズアイ。

 

これって普通出来るんじゃないの?と思うが、どの程度見えて、実体として感じているかは主観である以上、人より良く見えているか、見えていないのかよくわからない。


で、このマインズアイを鍛えることによって一体何の役に立つの?ってことだが,マインズアイの著者イアン、ロバートソンによると、様々な効果があると言う。

 

記憶力が高まる、免疫力が高まる、想像力が高まる、集中力がつく、ストレスに強くなる、感情をコントロールできる、年をとっても ボケなくなる。

 

いろいろあるようだが、ここではマインズアイとストレスの関係について論じたいと思う。

 

なぜなら・・・・・・

 

記憶力も集中力も創造力もストレスで心が曇れば、発揮できなくなる。ストレスを取り除くことこそ、自分のパフォーマンスを十分に生かすことができると言えよう。

 

今の世の中はストレスに強いことが求められている。

 

そもそもストレスって何?

 

ストレス学説を唱えたハンガリー系カナダ人のハンスセリエ博士はストレスを外部環境からの刺激によっておこるゆがみに対する非特異的反応と言っている。

 

要するに、ストレスって外からの刺激によって起こるものということらしい。

 

ってことは、マインズアイと関係なくない?と思ったりするが、これが大ありだ。

 

例えば、隣の犬が夜中に吠えて眠れないとする。これストレスだよね。でも犬は毎日吠えるわけじゃない。しかもずっと夜中じゅう吠えるわけでもない。そんなのしてたら犬もバテるだろ。それなのに、なぜか今夜も吠えるんじゃないかと眠れない。これ、今夜はまだ犬が吠えていないのだから、眠れないのは犬のせいじゃない。でも、吠えて眠れなかった日のことを思い出して眠れない。そのうち、明日の朝隣のオヤジに文句でも言いに行こうかと考える。ああ言えばこう言う、こう言えばああいう、心の中でオヤジとのバトルが始まる。どうも勝ち目がなさそうだ。自分がだんだん情けない非力な人間に思えてきて、ますます眠れない。

 

あなたはこんなバカらしいイメージを描くことはないか?

 

ストレスは、むしろマインズアイのイメージ力によって、増幅される。

 

私には、強迫観念の症状がある。病院に行かずとも今に至っているわけだからそれ程ひどいわけではないが、かなり疲れる。強迫観念にはいろんなタイプがあるが、私の場合は、確認行為の繰り返しがネックになっている。

 

外出の時、何度も何度も鍵を閉めたか、ガスはつけっぱなしにしていないか、電気ストーブはちゃんと消したかなどがやたら気になるのだ。他にも例えば、結婚式のお祝い金など、何度も中身を確かめないと気が済まないとか、買い物に行った後カードで支払いをするだろ?家に帰ってから、カードがちゃんと財布の中に入っているか確認したりすることがある。

 

なぜこんなことをするのか?

 

最悪の映像が浮かぶからだ。これ、かなりストレスである。

 

仮に、鍵の閉め忘れで空き巣に入られたところで、我が家にタンス預金があるわけでもなければ、金塊を隠しているわけでもない。ガスの元栓を閉め忘れても、ガス漏れが発生するわけでもないし、火災だって換気扇を回さずにエビを煮たぐらい(なぜか煙が立ち込めた)で、警備会社が慌ててやってくるくらいだから、最小限の被害で済むだろう。むしろ厄介なのは心に描く映像の方だ。

 

どうやら、私はマインズアイによって恐怖の映像を何度も思い描きストレスを2倍にも3倍にも膨らませているのだ。私は、最悪のイメージににとらわれている間、不安に襲われる。私の体はこの時、ストレスホルモンであるコルチゾールやアドレナリン、ノルアドレナリン血液中に放出し、心拍数は上がり、自分で自分をコントロールできなくしてしまうのだ。

 

たかが、映像なのに実に厄介だ。

  

強烈なショック体験をした人の中には、その後も自分の体験に悩まされ続ける人がいる。何度もその苦しい体験が、何かの合図をもとにフラッシュバックされるのだ。これ、PTSD(心的外傷後ストレス)と言うらしいな。

 

これまで、PTSDは災害、事故、犯罪、暴力、戦争などで発生するものと言われてきたが、最近ではパワハラやモラハラでも同じような症状を訴える人がいる。

 

昨年、あるサークルで知り合ったTさんは、現在42歳で、26歳の時パワハラに遭った。それにより、26歳から35歳まで家の中にこもった生活を余儀なくされた。最初の3年間ぐらいは、動くこともままならなかったというから、相当ひどい目に遭ったのだろう。

私と最初に遭った時、彼女は明るく自分から話しかけ、自己紹介を始めた。そして、3度目の会合の時、このパワハラのことを打ち明けられたのだが、彼女に沈んだ表情はなかったから、「乗り越えたんだな」と勝手に思い込んでいた。だが次の会合の時、会合が始まって10分くらいたったころだろうか、彼女は突然青白い顔をして、ふらりと教室を出ていった。周りは何事もなかったかのように会合は進められている。

 

え?なんで何も言わないんだ?私は問うようにみんなの顔を見回したが、どうやらそこにいる全員が彼女が出ていった理由を知っているようだった。

 

知らないのは、参加4回目の私と、その時一日体験のために参加した50代の男性ぐらいのもんだった。その男性は、金縁の眼鏡をかけ、長身でポマードをぬりったくったオールバックの髪形で、体格もがっちりしていた。

 

後で、サークル仲間の人が教えてくれた。

 

Tさんがパワハラを受けたのが職場の上司で当時50代の眼鏡をかけたインテリ風の男性だったと言う。彼女の心に忌まわしい記憶をフラッシュバックさせたのが、一日体験に参加した50代の男性だ。

Tさんは50代の男性すべてに反応するわけではない。この男性が彼女の元上司に似ていたかどうかはわからないが、ある一定の条件が重なったときにトラウマを追体験するのだそうだ。。

彼女はサークルに入って2年目だが、入会の時に、自分の症状をちゃんと申告して入っているらしく、周りもそれを理解していた。彼女がふらりと教室を出ていくのは以前にも2度ほどあったと言う。それは、中年の男性だったり、眼鏡だったり、ボールペンの音だったり。

本人もはっきりと理解しているわけではないが、ある一定の条件が重なると、体が震え始め苦しくなるらしい。

最近では、その症状が出始める前に一人になれる場所で、しばらくじっとしていると落ち着くらしい。かなり改善はしているのだろうとサークル仲間の一人が言っていた。

 

要するに、彼女は今も戦っていたのだ。昔のパワハラの記憶と。

 

16年もの間、仕事で受けたパワハラ体験を彼女は何回も、いや何百回も追体験していたのだ。マインドアイのイメージの力を使って。

 

マインズアイで描いたイメージは脳や心に現実の出来事が起こった時と同じ反応をもたらす。

 

私は、いささか、質問のタイミングとしてはちょと野暮だとは思ったが 、気になることを聞いてみた。

 

「ところで、ボールペンの音って何ですか?」

 

ボールペンをシンを出す時と引っ込める時にカチッという音が鳴るだろ?彼女の上司は、彼女を叱るとき、さもイライラを象徴するかのように、このボールペンをカチカチカチカチカチカチカチカチカチカカチと鳴らしたそうだ。

 

同じ体験をしても、トラウマになってしまう人と、トラウマにならない人がいる。

 

この違いは、マインズアイを使ったか使わなかったかの違いではないだろうか。Tさんはもともとこの力が強いのかもしれない。

 

だったら、マインズアイなど鍛えない方がいいような気もするが・・・・・・・

 

それでも・・・・

 

恐怖を想像する能力に痛めつけられた人は全く同じ力を使って、それを克服することもできるのだ。

 

時間と場所を選ばず、陽だまりの中でペットと戯れリラックスしている自分だって描けるはずだ。

 

イメージそのものは、現実ではないが、私たちはイメージの羽を伸ばしている時、体と脳は本当にそれが起こったように反応しているのだ。

  

世界的なスポーツ選手が、このマインズアイの訓練をトレーニングメニューに取り入れていることを知っているだろ?

彼らにとって、マインズアイを使ってイメージを描くことは、実際の練習をすることと同じぐらい重要な位置づけになっている。

 

ストレスは、確かに外部からやってくるものだが、その後、そのストレスを大きくするか小さくするかは、マインズアイの使い方次第だ。

 

私たちは、このマインズアイを使いこなすことで、うまくストレスと折り合いをつけていけるのではないか?

 

マインズアイの性質を知っていれば、それを野放しにすることはなくなる。もちろん練習が必要だ。マインズアイを意識的にコントロールすることはストレスを抱え込まない技術なのだ。

ただ何度も何度もイメージを繰り返した後のマインズアイの制御は難しい。できれば初期の段階で押しとどめよう。

 

「おいおい、そっちに行っちゃだめだぞ、お化けが出るぞー」

 

心の警鐘を鳴らすのだ!

 

うまくいくかもしれないし、うまくいかないかもしれない。

 

だが、マインズアイは学習によってある程度コントロールし鍛えることができる。

 

このストレス社会を生き抜いていくには、マインズアイを味方につけることこそ大事かもしれない。