つつのんの気まぐれ日記

アラカン女子の複雑怪奇な頭の中を書いていきます。

マンガ「その国の名前を誰も言わない」~に描かれたウイグル地区問題

「その國の名前を誰も言わない」

「私の身に起きたこと~とあるウィグル人女性の証言~」

「私の身に起きたこと~とある在日ウィグル人男性の証言~」

は、著者清水ともみさんのマンガです。

どの本も10分程度で読め、3冊読んでも30分もかかりません。このマンガでは新疆(シンチャン)ウイグル自治区がどうゆう状況にあるのかが克明に描かれています。

 

たまたま、ネットでニュースを読んでいると、こんな記事を見つけました。

 【ワシントンAFP時事】米上院の超党派議員団は27日、中国新疆ウイグル自治区に暮らすウイグル族など少数派イスラム教徒に対する中国当局の迫害は「ジェノサイド(集団虐殺)」に相当すると非難する決議案を提出したと明らかにした。 

                      時事ドットコムニュース

  

新疆ウイグル自治区ってどんなとこ?

 ・新疆ウイグル自治区は中国の西端にあります。中国の省・自治区の中でも中国全土の約6分の1(面積の4分の1は砂漠)というかなり広いところです。

・中国に住むウイグル人は約1000万人で、そのうち、約980万人新疆ウイグル自治区に住んでいます。

・ほとんど宗教心を持たない漢人と違い、ウイグル自治区の多くがイスラム教徒です。

 

新疆ウイグル自治区で何が起こってるの?

 町中に監視カメラが設置され、仲間同士が集まることは禁止され、常に検問を受ける状態です。全過程に無線が配給され、パソコン、スマホはスパイウェアをインストールされ、警察に提出を求められれば拒めない。表向きは職業訓練としながらも実態は強制収容所と同じで中国政府は100万人越えのウイグル人を収容している。そこでは軍隊形式の規律を強いられ、虐待、拷問が日常的に行われています。女性は不妊手術を施されたり、一人っ子政策で男余りの漢人と結婚させられたり、売春婦として売られたりしています。また、中国国内には巨大な臓器移植専門病院があり、お金さえ積めばフレッシュな臓器が手に入るそうです。ウイグル自治区では人道的な悲劇が当たり前のごとく行われているのです。

 

なぜ政府はそんなことをするの?

 ・中国共産党は宗教を嫌悪しているから。

中国共産党はウイグル族の「テロリズム」を恐れているら。

・過去にウイグル族は分離、独立、高度な自治や人権を求める暴動を起こしており、 巨大国家中国にとって、ウイグル族は国家の統治を脅かす存在だから。

 などと言われています。

 

日本で新疆ウイグル自治区問題があまり報道されないわけ

まず、中国当局の圧力・妨害が予想されます。それより気になるのは、現地のウイグル人に取材をした場合、話を聞いた相手は、かなりの高確率で尋問、拘束を受けるだろうこと。それだけでなくちょっとでも不満を話せば、強制収容所に送られることもあり、実際の取材は難しいようです。また、ウイグル問題は中国にとってタブー度合いが高く、過剰に刺激すれば、今後の別の取材に支障が出る恐れがあります。報道局側としてはなかなか手が出しにくい問題のようです。

 

日本でもウイグル人による強制労働の製品が売られている?

拘禁された多くのウイグル人が中国の各地方に移動させられ多国籍企業の工場で奴隷労働を強いられています。世界の有名企業、多数のファッションブランドの名前が挙がっています。その中には日本の企業の名前も含まれています。私たちは、知らず知らずのうちにその製品を買うことによって、共犯になっているかもしれませんね。

 

中国当局が最も恐れることはそれを人に知られること、明るみになることです。いま中国がウイグル人に対してやっていることは許されることではないはず。

 

私たちに今できることは知ることです。知ることで世界が動くのです。

「その國の名前を誰も知らない」のウイグル人はそのことを願っています。

 

この本は3部作になっており、とても短いマンガですが無駄な表現が一切なく、とても読みやすいです。私は3冊とも読みましたが1冊だけでも新疆ウイグル自治区のことがよく分かります。3冊の中でも「その國の名前を誰も知らない」がおすすめです。

 

もし、興味があったら読んでみてください。本の名前を検索するとすぐに出てきます。今は、キンドルだと無料で読めます。