つつのんの気まぐれ日記

アラカン女子の複雑怪奇な頭の中を書いていきます。

セルフメディケーション(軽い不調の自己治療)のための最低限知っておきたい薬のこと

私達の病気に欠かせない薬には、大きく分けると医療用医薬品と一般用医薬品がある。

 

病院のお医者様に処方してもらう薬が医療用医薬品で、お店で買う薬が一般用医薬品だ。

 

この二つで、私たちが判断して買うのが一般用医薬品だが、あまりにも種類が多い。うちの近くのドラッグストアーは、カゼ薬だけでも20種類以上は置いてある。成分を見ても素人にはわからないし、そもそもカゼの症状なんてだいたい一緒だろ?そこで、CMでよく見るからとかの基準で買ってないか?松嶋菜々子さんのパブロンゴールドとか?

 

最近やたらセルフメディケーションはなどと叫ばれるようになった。軽い身体の不調は自分で手当てするという考え方だ。

 

もちろん、日頃の生活習慣は大切だ。バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠などは大前提ではあるが、それをしても尚、私たちは過度なストレスで体調不良に陥ることがある。それが、軽度であるならば病院にすぐ行くのではなく、カゼの時はカゼ薬を飲み、疲れがたまっていたらビタミン剤を摂取し、食べ過ぎて胃が痛いなら胃薬を飲み、軽いけがなら消毒をし薬を塗る。これら、軽い症状であれば、自分で自分を治す自己治療がこれからの時代は必要なのだろう。

 

私達は、過剰な医者頼りを今見直さなくてはいけないのかもしれない。確かにジェネリックの普及で薬代は安くなった。市販薬を買うより手っ取り早く医者にかかった方が早く治るし(ホントは一晩寝るだけで治るものもある)、金銭負担だってそれほどでもない。健康保険料払ってんだからうまく使わなきゃ損だもんね。

 

だが、ここにきて医療保険が新たな動きを見せている。

 

社会保障改革の一環とし市販の薬で代替え可能な薬は、公的医療保険から除外すべき・・・などとけからん政策がすすめられていることはご存じの方も多いと思う。11/30には政府はこの政策の調整に入った。対象となっているのは、花粉症の薬、風邪薬、湿布薬、漢方薬など。年々膨らんでいく医療費の高騰を考えると公的保険でまかなうのは限界なのだろう。



そこで、私達は健康を自己責任として軽度の不調は自分で治すというセルフメディケーションの意識がより重要になってくる。その場合、お店で買える薬(OTC医薬品)を上手に利用していくことが必要だ。自分の体調や状態、症状に合った薬を使用するためには、薬剤師に相談するのはもちろんだが、最低限の薬の知識は身につけておきたいものである。

 

OTC医薬品って何?

OTCとは、Over The Counterの略でカウンター越しに薬を買うことを意味している。病院で処方される薬ではなく、ドラッグストアーなどで直接買える薬のことである。大きく分けると「要指導医薬品」「一般用医薬品」に分けられる。通称市販薬と呼ばれてきたが、現在ではOTC医薬品と呼ばれることが多くなってきた。

 

要指導医薬品とは?

リスクが高い薬、または医療用から市販品になって期間が短いため相互作用や副作用がが確定していない医薬品であり、十分に注意を必要とする。そのため薬剤師の指導なくしては買えない薬で、書面にて使用法や副作用の説明などを受けて使用者本人が購入することとされている。レジの後又は見えない棚など、通常購入者が手の届かない場所に保管されており、店頭にはパッケージのみが置かれていたりする。厳しい条件が課されているためインターネットの購入は不可となっている。(販売対応は薬剤師のみ)

※要指導薬品は、原則3年間市販薬として販売された後安全性に問題なければ、一般医薬品へ移行される。

 

一般用医薬品とは?

一般用医薬品には、リスクの程度に応じて3つに区分されている。

 

①第1類医薬品

安全性の上で特に注意を必要とするもの。販売も薬剤師の説明指導が必要で、書面による情報提供が義務付けられている。商品も購入者が手の届かない場所に保管されている。(販売対応は薬剤師のみ)

例、一部の毛髪用薬、一部の鎮痛剤、一部の胃腸薬、一部の軟膏など作用の強いもの

 

②第2類医薬品

安全性上で注意を必要とするもの。販売は専門家からで、書面による情報提供は努力義務となっている。(販売対応は、薬剤師と販売登録者)

例、風邪薬、胃腸薬、便秘薬、目薬、かゆみ止め、きず薬など、多くの薬がここに分類される。

※第2類医薬品のうち、特に注意を要する成分を含むものはむものは「指定第2類医薬品」とされ、2という数字に〇や▢の囲みがついて表示されている。

 

 

③第3類医薬品

さほどリスクがなく薬剤師や登録販売登録者のもとであれば一般店員からの購入も可能。情報提供の法的制限もない。

例、滋養強壮剤、ビタミン剤、スキンケア用薬 

 

それぞれの区分は、パッケージに書かれているので,すぐに分かるようになっている。一度ご自宅にある常備薬の箱を見られてみられたらどうだろうか。

一般用医薬品の①②③ともインターネット購入が可能であるが、薬剤師や登録販売者が情報提供者になっているのはお店での購入と同様である。

 

薬剤師って?

国家資格を持った薬の専門家。医療用医薬品から一般用医薬品(市販薬)のすべてを扱える。

 

登録販売者って?

登録販売者とは、薬剤師の人手不足が叫ばれる中、2009年に新設された公的資格である。各都道府県での資格に合格して各都道府県知事の登録を受ければ、晴れて登録販売者になることができる。販売登録者が販売できるのは市販薬の2類医薬品と第3類医薬品に限定されているが、市販薬の約9割がこの第2類医薬品と第3類医薬品なので、その役割は大きい。

 

最近の傾向として、自分の健康は自分で責任を持つことが求められるようになってきた。国の動きとしても「どうしても無理なら助けるけれど、ある程度は自分のことは自分でせんかい!」に移行してきている。

 

2017年1月に、セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)が施工されている。健康診断を受けるなど一定の要件はあるが、自分でお店で買った医薬品(対象商品1500)の購入費が一定額を超えると、所得控除を受けられるという制度だ。まだ、こういった制度を利用している人は少ないと思うが、セルフメディケーション(軽い身体の不調の自己治療)の考え方は今後ますます広がっていくだろう。

 

そうなると、かかりつけの医者だけでなく、行きつけのドラッグストアー、かかりつけの薬剤師が今後必要なのかもしれない。病院の薬との飲み合わせの弊害がないよう、お薬手帳を持参しよう。薬剤師にしろ、登録販売者にしろ、しっかりとカウセリングを受けて薬を購入することは大事だ。

 

でも妄信はいけない。商売である以上、相手は利益率の高い薬を売ろうとするかもしれない。ドラッグストアーにはだいたい特に推して売りたい推奨品なるものがある。こういったものは広く一般に効く薬なので、あなたにぴったりとはいかないかもしれない。疑ったらキリがないが、最後にどの薬を選ぶかを決めるのはあなただ。専門家に頼るべきところは頼り、判断すべきところは自分で判断する!

 

これから、イベントわんさかの時期に入る。クリスマス会、忘年会、お正月、新年会と暴飲暴食で胃腸を壊す人も多いのでは?

どうせ年末年始は病院も開いていないので、今こそセルフメディケーションを実践する機会かもしれない。