つつのんの気まぐれ日記

アラカン女子の複雑怪奇な頭の中を書いていきます。

糖質制限で簡単に減量できるは本当か?カロリー制限と運動は必要ないの?

今、糖質制限が空前のブームだ。

なぜここまで人を魅了するのか?

世の中には減量しなくてはいけない人は多い。肥満は万病のもとだからね。肥満は大きな病気への入り口だ。しかも、肥満体は見栄えもよくない。しおれ切っている私でさえ、ダボついているお腹周りは気になる。

糖質制限は、糖質を減らすだけなので厳しい食事制限や激しい運動をしなくても減量ができる!そう聞けば、誰でも試してみたくなる。

 

だが、いつの時代でもそうだが必ずこういった新しい食事法には否定論がある。専門家の間でも、意見が分かれているようだ

 

糖質制限とはいったいどのようなものか?

本当に糖質制限で減量できるのか?

カロリー制限は必要なのか?

運動は?

そしてそれは安心なのか?

考察してみた。

 

糖質制限とはどんなもの?

 簡単言えば、糖質であるごはん、麺類、パンなどの主食をできるだけ控え、たんぱく質、脂質などのおかずをより多く摂取するということだ。 糖質制限というと、炭水化物を減らすことに主眼が置かれるが、それだと続かないし栄養素としても不足がちになる。たんぱく質を多く含んだ肉や魚、卵、チーズ,などで十分に栄養を取り、結果として糖質の摂取量を減らすのが最も効果的な糖質制限の食事の在り方だ。

 

糖質制限の最大の魅力はカロリーを気にする必要がない!満腹に食べられることだ。制限するのは糖質のみ。

 

糖質は、私たちの人間が活動するための一番のエネルギー源だが、現代のように、便利な生活様式ともなれば糖質はもっと少量で足りる。糖質の体内の存在量は意外と少ない。大量に取り入れられた糖質は、血液中のブドウ糖や肝臓や筋肉にグリコーゲンとして少量蓄えられるだけで残りは、脂肪として蓄えられていく。これが肥満につながる。すなわち糖質を制限すれば痩せるということだ。

 

もともとは、糖尿病患者の治療のための食事法として取り入れられたのだが、ダイエット効果が高いとして、健康診断でメタボに引っかかった中高年や痩せたい願望の強い若い女性にも広く支持されるようになった。

 

ケトン 体とはいったい何?

 糖質制限に最も貢献するのがケトン体だ。

ケトン 体とは、体内の脂肪の分解によって生まれる物質である。糖質は、体の主要なエネルギー源だ。糖質の摂取が少ないと体はエネルギー源を他に求めるようになる。その代わりになるものが体に蓄積されている脂肪だ。糖質の代謝に代わり、脂肪を燃焼することによってケトン 体代謝に代わり、痩せるということだ。

 

ただし、ケトン体の恩恵を受けるには、しっかりと糖質制限しなければいけない。糖質の量は一日60g以下を目指す。通常茶碗一杯が150gなのでかなり少ない。でもご飯の代わりに、その分肉や魚や卵などの糖質を含まないものははいくら食べてもいい。ステーキだって揚げ物だって食べられる。気を付けなければいけないのは、ごはん、パン、麺類などの主食、イモ類、砂糖を含む菓子、スナック菓子など。お酒は糖質の低いものをを選べばOKだ。

 

緩やかな糖質制限ロカボ食って?

糖質制限は、上記のように糖質の量を一日60gまで落とす厳しいものもあれば、もっと緩やかな糖質制限もある。

北里大学北里研究所病院糖尿病センターの山田悟先生が進めているのが緩やかな糖質制限ロカボ食だ。

日本人の一日の糖質摂取量の平均は270gから300gだが、これを半分弱の130g以内にするという方法だ。

山田先生は、ロカボ食の成功の近道は主食を減らすこと!

一日の主食の量はご飯茶碗軽く半膳(糖質25g)麺半玉(糖質25g~30g)食パン6枚切りの1枚(糖質27g)。合計すると、糖質摂取量は、80g強だ。ここを抑えれば、多少おかずやお酒からの糖質を加えても一日の糖質制限130gには抑えられそうだ。しかも糖質さえ気を付ければ、逆に脂質、たんぱく質、食物繊維は積極的に摂取することを推奨しているのでお腹いっぱい食べられる。カロリーの制限は一切ないからね。

 

 カロリー神話の崩壊 

これまでの減量法と言えば、つらい、我慢、リバウンド、続かないなどの言葉を思い浮かべる人も多いだろう。それもそのはず、カロリーを抑えて、痩せようとしてきたからだ。だが、このカロリー神話が、崩れ去ろうとしている。

ここ10年で栄養学はすっかり変わってしまった。

痩せるためには、カロリーを減らし、油をできるだけ摂取しない!そう信じて痩せたい一心で空腹と戦い続けてきた人もいるかと思う。

でも、それ無駄だっんだって?

 

2008年アメリカの医学雑誌「THE NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE」に掲載された興味深い論文がある。

食事法を①②③のグループに分け複数の項目に対してのデーターを集計した。

 

①低脂質カロリー制限食(カロリーを男性で1800カロリーに制限し、脂質を控える)※これまでの典型的なダイエット法

②中海食(カロリーを男性で1800カロリーに制限するが、オリーブオイル、魚脂、ナッツ良質な脂質はどんどんとっても良い。

③低糖質食(糖質制限)

 

2年後、6年後、減量効果が最も低かったのは、①の低脂質カロリー制限食だったそうだ。中性脂肪、善玉コレステロールの数値、動脈硬化指数においても3グループの中で最も改善が見られなかったのも①の低脂質カロリー制限食だった。

 

これまでの減量法と言えばで①のようなきるだけ油を摂取せずカロリーを抑える低脂質カロリー制限食だった。これこそがダイエットの王道だったはずだ。

それが、この論文では、最も減量効果がなかっただけでなく他の数値にも期待した効果は見られなかったということだ。

 

「医者が教える食事術」の著者であるAGE牧田クリニックの牧田善治院長はおっしゃっている。

 

ダイエットにカロリー制限は無用!ポッコリおなかの脂肪は、油っぽいものを食べたからでなく糖質の過剰摂取なのだと。しかも痩せるには運動よりも食事を変えることが重要なのだそうだ。

 

さんざん栄養学の名において、汚名を着せられてきた油だが名誉回復の時が来たようだ。

 

 

運動で痩せる!は無理がある

多くの人にとって、食べることは人生の楽しみの一つである。なかには、食べることしか楽しみがないという寂しい人もいるだろう。

そんな人は、食事で痩せようとは思わず、私は運動で痩せるんだ!とジョギングなんか始めるんだろうね。そもそも減量のためのジョギングなんて続かないから。それなら・・と・・高いお金払ってライザップに駆け込む人もいるんだろうね。ライザップのCMは魅力的だ。ダイエットに成功した女優さんたちが見事なプロポーションを披露してくれる。年なんて10歳ぐらい若返って見えるし。でも、これって運動だけで痩せてるわけではない。

 

ライザップのダイエットは運動よりも食事が最も重要課題だ。

 

ライザップの食事ルールはかなり厳しい。

1、糖質抜き

2、脂肪は控えたんぱく質を多くとる

3、食事の量は昼>朝>夜(夜9時以降は食べない)

4、適度なカロリー制限あり

 

あれ?糖質制限食と似てないか?でも、それより厳しいかも。脂肪は控えなきゃいけないし、カロリー制限もある。

ライザップさんでさえ、これだけの厳しい食事制限があるのだから、運動だけで痩せるのはやっぱり無理のようだ。そして減量するにはやはり糖質を制限する必要がありそうだ。

 

糖質制限否定派

糖質制限は、専門家の間でも肯定派と否定派がある。ここでは否定派の意見を聞いてみよう。

 

 米シモンズ大教授のテレサ・ファン博士はこう語っている。

 

「糖質こそが人間の活動で最も重要なエネルギー源です。それを制限することは、深刻な病気のリスクの高まりを意味します」

 

シモンズ大が実際に行った13万人に対する食生活と健康状態について20年にわたり追跡調査が行われた。その結果、糖質を総カロリーの60%摂取した人(標準)と35%摂取した人では糖質を少なくした方が死亡率が1.3倍以上高かったという。これは、11月24日NHKスペシャルで紹介されたようだが、かなりの反響があったようだ。

 

それとは別に東北大の都築毅准教授らが行ったマウスの実験がある。「標準食」「高脂肪食」「糖質制限食(炭水化物が総カロリーの20%とかなり厳しい)」の3グループに分けてマウスを一年育てた。その結果、糖質制限食のグループはほかの2グループに比べ、寿命が2割程度短くなった。また一年後には記憶力が標準食の半分程度に低下した。

 

ここでもやはり寿命が短くなる説が浮上している。

 

話は変わるが・・・・・

 

糖質制限と聞くとどうしても思い出す人がいる。1980年後半~に、それこそブームになった「やせたい人は食べなさい」の著者である料理研究家の鈴木その子(平成12年没)さんだ。私は、当時、鈴木式ダイエットの実践者であった。このダイエット法は、糖質限食と真逆でご飯をしっかり食べましょうというダイエット法だ。厳しく制限するのは油。だからお菓子でもバターを使うケーキ、クッキーなどはご法度だが、和菓子はOKだった。本を読んで自己流だったから2キロぐらいしか痩せはしなかったけど、1年は続けたと思う。当時増え始めた私の体重に歯止めをかけたの事実だ。このダイエットで痩せた人は数多くいたと思う。TVでも雑誌でも話題になったからね。鈴木さんはすでに亡くなって20年近くなるが、彼女の遺した㈱トキノ(現・㈱SONOKO)は今も存続しているようだ。もし彼女が今も生きていたら真っ先に糖質制限否定派として炭水化物の有効性を訴えたと思う。

 

まとめ

 

色々調べてみたが、結局、糖質制限で減量できるの?現在の栄養学から言えば、肥満と糖質には深いかかわりがあるのは明確だ。となれば、糖質を制限すれば痩せるというのは理にかなっている。だが、ポイントはどこまで制限するか?ということだ。否定派の意見を無視するわけにもいかないが、痩せたい人には、満腹に食べられるというのはかなり魅力がある減量法だ。

よって、

深刻な肥満による病気が絡んでいるのであれば、医師の指導の下、厳しい糖質制限もアリとし、単に減量したいだけなら緩やかな糖質制限ロカボがオススメだ。