つつのんの気まぐれ日記

アラカン女子の複雑怪奇な頭の中を書いていきます。

50代伴ばの主婦が派遣で働くってどうなの?知り得た現実と今思うこと

新しい仕事に就いて半年が経つ。

 

別に必死に探したわけでもないのにあっさり仕事が決まった。

 

暇つぶしに、派遣登録に行ったら、そこで紹介を受けたのが、今の会社。

怖いくらいにトントン拍子で話が勝手に進んでいって、すぐに採用が決まった。

 

別に派遣で働こうと思ってたわけではない。

 

50代半ばのシケた女が、船場で、どこに行こうか指をくわえて迷っていたら、突然船がやってきて、「乗りませんか?」と優しく言われて、後先考えずに飛び乗ったって感じだ。

 

職種は、テレフォンオペレーター。別に望んだ職種ではないが満更、イヤでもない。成り行きではあったが、意外と面白そうかも!単純にその時はそう思った。

 

オペレーターには、簡単に言うと、受信と発信の二通りがある。私の仕事は、受信専門で主に、顧客からの問い合わせ電話に対応し、各部署や各支店にパソコンデーターを送ることだ。

 

幸い、同時に採用された人が、私より年下ではあるが、同じ50代のMさんと40代後半?のHさんだ。Hさんは太っているため今一つ年齢が分かりにくい。更年期で冬でも暑いと言ってるくらいだから、勝手に40代と思っている。独身だそうだ。

 

思いがけない仲間を得たせいで、私の船出は明るい穏やかな行路を暗示しているかのように思えた。

 

半年たった今、私は派遣の現実を思い知らされることとなった。

 

最初の難関!立ちはだかるコンプライアンス

 

私が派遣された会社、働く人の定着率がすこぶる悪かった。もともと、オペレーターの仕事は、入れ替わりが激しいとは聞いていたが、ここも例外ではない。むしろこの会社はもっと、ひどいかもしれない。

 

更新月を待てずに離脱する派遣もいるらしいと聞いた時は、さすがに薄ら寒さを感じた。

 

もしかして、私はとんでもないところに来ちまったんだろうか?

 

なぜ?

 

素朴な疑問を感じながらもその答えが出るのにそう時間はかからなかった。

 

覚えて下さいと渡されたマニュアルは300ページにも及び、それはまだ許せるとしても、パソコンのシステムの古さ。

 

改良に続く改良でそのシステムは、ほころびをつなぎ合わせた古着のように現代のAIに遥か程遠い。いくつものソフトを同時に立ち上げ、交互に見直し、やっと一つの仕事が出来上がるという、かなり複雑な仕様になっている。

 

働き始めて3日で辞めたくなった。

 

が、ここは昭和女の意地を見せねば。

 

50半ばの女の取り柄と言えば、納豆のような、糸を引く粘りである。

 

それなら、家でしっかり復習でもしよう!為せば成るの精神だ。

 

と、入ったばかりの私はやる気満々だった。

 

昭和の女が、平成育ちの若者並みに仕事を覚えようと思ったら、それはもう、しっかり家で勉強するしかないではないか、なんてね。

 

だが、そんな私のやる気に水を差したのは、上司の一言だった。

 

「コンプライアンスに抵触するのでマニュアル他資料は一切持ち帰らないこと!」

 

恐るべし、コンプライアンスだ。

 

ならば、研修期間中にしっかり覚えねばと意気込んだものの、さっぱり仕事が覚えられないのだ。それもそのはず、教育係が3人いるのだが、教え方が、3人3様で自己流なのだ。極端なことを言えば、その説明の仕方には、桃太郎と一寸法師と力太郎の話ぐらい、それぞれ違っていた。これにはさすがに参った。

 

ある程度仕事に慣れてきた今なら分かる。彼女たちが同じ説明をしていたことが。

 

桃太郎も一寸法師も力太郎もおじいさんとおばあさんに育てられ、鬼(力太郎は化け物)をやっつけて、最後は幸せになりましたとさ。

 

要するに、始まりとたどり着く結果は同じだったのだ。

 

マニュアルにちゃんと目を通すことができたのなら、もっと早く気づけたはずだ。機関銃のような速さで説明を受けてる研修中にマニュアルなどゆっくり読む余裕などない。メモを取るのに必死だ。そのメモもあとから見ても足ででも書いたような字で人に見せられたものではない。あんな読めもしないマニュアルなんぞ、分厚く作られているのは、ただの嫌がらせだろう。休憩室にも持ちだせないマニュアル!忌々しいコンプライアンスだ。

 

あっ、そう言えばこんなことがあったな・・・・・

 

私が、研修期間中にわずかな時間のスキ間に、何とかマニュアルを開こうとすると、教育係の一人が言った。

 

「マニュアル見ても分からないよ、私読んだこともないけど」

 

ハッ?開いた口が塞がらなかった。

 

だからお前の説明は、チンプンカンプンなんだよ。

 

教育係となった3人は、今回初めての教育係で人に教えるのは初めて。これまで教育係をしていたベテランは、ひと悶着あって私が入る前に辞めたとか。何ともお粗末な会社だわ。

 

 

派遣の3年ルール?そんなの知らんわ!

 

何とか、意地だけで居残り続けているが、最近少し仕事にも慣れ、余裕が出てきたのか、ふと違う問題が頭をもたげてきた。

 

派遣って、言わずと知れているが、その立ち位置は不安定そのもの。

 

通常、派遣には1カ月、3カ月、6カ月、1年なる更新月が設けられている。要するに、派遣は更新月ごとにクビになる恐怖にさらされるということだ。

 

私の場合6カ月更新だが、半年過ぎても何事もなく働き続けてるから、勝手に更新されてるんだろうね。だとしても最長3年が限度である。私がこれを知ったのは、採用が決まって契約書を交わすときだった。

 

派遣でずっと働いた人なら知っていることでも、派遣初心者には寝耳に水だ。

 

派遣には3年ルールと言うのがあって、同じ会社の同じ部署では3年たてば最終通告がなされるということだ。もちろん、3年後には、派遣元から派遣先への直接採用の打診はしてくれると言うことにはなってはいる。

 

確か派遣の担当者が言ってたな、

 

3年後は、これで終わりじゃなくて、このまま働き続けたいと希望されるのであれば、会社側と直雇用で交渉しますので安心してくださいとか、なんとか。

 

この派遣の3年ルールの法律は、平成27年9月の施行によって全業種が対象となった。派遣社員の待遇改善が目的で実施されたものだと言われてはいるが・・・・・

 

現実はどうよ?

 

派遣先の企業には直接雇用の義務はないんだから、3年たったら、別の派遣社員に変えればいいだけの話だわよね。実際、3年目の雇止めを恐れる人の方が多いのでは?

 

しかも、私の場合、3年後は60歳が目の前にきている。

 

60と言えば、昔は定年だよね?年金が65歳支給になって最近じゃ65歳に延びたみたいだけど。

 

そんなババアを直雇いするいか?せっかく更新切れで、追い出せるというのに。

 

まあ、いい。ここが居心地のいい場所ならしがみつきたくもなるだろうが、そうとも言えないからね。

 

職場にもあった格差社会

 

今の会社は、いくつかの雇用形態がある。正社員、契約社員、パート、派遣社員と4つだ。派遣は10人程いる。

 

その4種の人たちが同じフロアで、しかもその中には一般事務の人が一部一緒に働いていた。要するにオペレーターと言ってもヘッドセットのついているインカム式のガチガチのコールセンターとは違う。その分人間関係がややこしい。なんせ、女性だけで60人近くいるからね。この会社一応大企業で、全国合わせれば、全従業員数万人規模。大きい会社だからしっかりしてるよね、と思いがちだが、しっかりしてるのは、従業員の福利厚生費だけで、その中身は、そんじょそこらの中小企業の方がまだまともだわ。

 

この会社が特殊なのか・・・・・?まあ、こんな会社ばかりではないだろう、そう信じたい。

 

で、この会社・・・・・

 

やたら気の強い人もいれば、影のようにいるかいないか分からないような人もいて、バリバリ仕事をやっている人もいれば、時給だけもらいに来てるんじゃないの?と思う人もいれば、何かと、あらさがしをして攻撃してくる人もいれば、どんなにひどいことを言われても押し黙って耐えてる気の弱い人もいる。

 

人の立ち位置と言うのは実に様々だ。職場という一つの空間の中には仕事ができるできないとかではなく別の要素で格が決まる。これまでアットホームな会社で働いてきたので、格差をほとんど感じることはなかった。社員だろうが、パートだろうが、仕事のできる人、まじめに誠実に仕事に取り組んでいる人の発言は重きが置かれ大切にされる。そんな当たり前が、規模が大きくなるとそうではなくなるのね。本当に会社にとって必要な人が、上の人には見えないんだね。

 

先日、職場改善点についてアンケートが配られた。その中の一つに仕事に満足してますか?という質問があった。選択肢は1満足、2、やや満足、3、やや不満、4、不満の4つだ。まさか正直に不満にマルを付けるわけにはいかない。不満と書けば、理由まで書かなくてはいけない。やや満足で回答した。

 

派遣の立場で、派遣先にケチつける勇気はない。居づらくなるだけだ。そもそも、こんな質問自体バカげている。どこの誰が、正直に書くというのだ!

 

最後に要望を書く欄があった。

 

書こうか書くまいか迷っていると、

 

「何書いても無駄、無駄!」

 

顔面で、手の平をヒラヒラサさせながら、隣に座る1年先輩の派遣のEさんが言った。

 

だろうね。

 

確かに。日頃の上司の態度を見ていれば、よく分かる。

 

オペレーターという仕事は、当然お客様の苦情にも遭遇する。相手が不特定多数のどんな相手か分からない以上、その中には無理難題押し付けてくる人もいる。当然相手の要望に応えられない場合だってある。どんなに丁寧に対応してもいきなり怒り出す人もいる。その場合、私達派遣だと、内容いかんにかかわらずオペレーターの対応に問題はなかったのか?と上司の机の前に立たされて厳しく詰問を受ける。こんな時、上司の顔は、おまえがもうちょっとうまくやればこんな厄介なことにはならんのだ!とでも言いたげだ。

 

だが、不思議なことに、パートはともかく正社員が対応したお客様とのトラブルは、たちまちお客の方がクレーマー扱いとなり、悪者になる。上司も「気を付けるように」のありきたりの一言だけだ。形式的な注意は5秒で終わる。しかも、周りからはそんな相手に当たって、運が悪かったのだと同情さえしてもらえるのだから、不可解極まりない。

 

この差って何よ?

 

そういや、忘年会さえ、派遣は誘われなかったな。

 

会社の中には、歴然とした理解不能なルールがある。

 

結局、派遣ってどうなの?

 

散々今の会社の不満点をあげつらってきたが、それでもいいこともある!

 

先に、派遣には更新月があると書いたが、逆に言うとそれは、自分の方から派遣先と縁を切るという選択肢もあるということだ。しかも堂々と。だって、辞めるってなかなか言いにくいじゃん。その点、派遣はあくまでの派遣会社と企業との契約解除だから、手続きは、派遣会社がやってくれるから気が楽だ。

 

ずっと今の職場で働こうと思ったら、すごくストレスだけど・・・・・

 

「どうせ、長くて3年だし!いやなら、次の更新月で辞めちゃえ!」と、いつでも自分の気持ちにケリをつけられる分、逆にいられる間は、しっかり仕事を覚えて、次の仕事に生かそう!などと、モチベーション上がるから不思議だ。

 

他にもある。

 

それは、派遣の方が手っ取り早く仕事が見つかること。すなわち派遣の方が、直雇用のパートやアルバイトよりも採用のハードルが低い。それなのに時給は高め。

 

これは、私の勝手な思い込みかもしれないけど、雇う側も、派遣だと期限付きだから多少年取ってても雇いやすいんじゃないかと思っていこる。事実、私がこれだけ簡単に仕事が決まったのは、派遣だったからだろう。

 

何より、派遣は働く前に、その会社の情報がある程度わかるというのは最大のメリットである。派遣会社の担当者は仕事内容やそこで働く年齢層などあらかたのことは知っている。これが自分で探すとなると、何も知らずに20代30代ばかりの職場に応募し、ノコノコと面接に行って「おばさん、何しに来たの?」と、冷たくあしらわれるなんてこともあるだろう。50代半ばで、で新しい職場を探す時には、そこで働く人の年齢層と言うのは、至極重要である。今時の求人広告って何歳までって、年齢制限書かれてないからね。書かれていないから無いわけじゃない。若い子大好きスケベおやじが面接するってこともあるわけだから。

 

しかも仕事内容も、求人広告でほんの2、3行の説明だけより、派遣担当者から聞いた方がまだ信用できる。

 

派遣はこういった心理的ハードルを派遣担当者に事前に聞くことでクリアできる。

 

でも、これからどんどん年取っていくのにいくら派遣と言えども、次から次に仕事ってあるの?派遣で働くものなら誰もが持つ不安だ。しかも私のトシになると、より深刻だ。

 

私は、3年ルールを知ってから、ネットで求人サイトをやたらチェックするようになった。だって次が心配なんだもん。今から派遣の傾向と対策のお勉強だ。

 

そこで気が付いたことがある。派遣会社って、思った以上にたくさんあるんだね。しかも求人も豊富。毎日見ても求人が減ることはない。これだけでも希望が持てる。しかも、シニア歓迎、シニア応援、シニア活躍中、年齢不問と書いてある求人も、データ―入力、オペレーター、仕分け、シール貼り、店舗の品出し、レジ、飲食店スタッフ、他色々。

 

毎日見てると、ある結論にたどり着く。

 

今の社会は、働きたいヤル気のある人間を年齢なんかで切り捨ててはいない!

 

楽観的すぎるかしら?

 

派遣は1日、8時間勤務もあれば、短時間勤務もある。働く時間帯も朝から、昼から、夕方から、夜から、深夜から朝までなどと様々だ。

 

私何にもできない!

 

そう思ったら、人の嫌がる夜中とか早朝働けばいい。

 

私らの年代は、子育てはすでに終わっている。時間的自由は、若い人に比べると有利である。

 

しかも派遣であれば、単発から、短期、長期と自分に合った働き方もできる。

 

何でもやる覚悟さえあれば、それなりに仕事はある!

 

 

派遣をやって今思うこと

 

意図せずして、今、私は派遣で働く身であるが、

 

今回選んだ職種が・・・・・・・いや選んだつもりはない。

 

オペレーターと言う職種に成り行きで就いてしまったが、幸い、この職種、年齢に緩やかだ。電話かかるのに年齢は関係ないからね。ハンディーがあるとしたら、物覚えの悪さであろう。

 

でも、私も3年という刑期を終えれば?じゃなかった、契約期間を無事終えることができれば、立派なテレホンオペレーター経験者だ。

 

世の中は今、ネット社会だ。それは、家から一歩も出ずとも生活ができるほど充実してる。通販で、欲しいものはすべて手に入り、食料品さえネット注文すれば配達してもらえる。電気料、電話料、ネット回線、保険、などすべてネットで自由に契約ができ請求から支払いまでネットで完結する。そこで必要になってきたものと言えば、名前はいろいろあるが、サービスセンター、カスタマセンタ―、サポートセンターなどの仕事であろう。いわゆる電話の仕事である。この仕事、しばらくは、増えることはあっても、なくなることはない

 

しかも、この職種はどこも人員不足だ。それなのに辞めていく人は多い。そのせいで、入り口のドアは、かなり間口が広い。年を取っても入り込む余地はありそうだ。

 

今の職場には、データ―入力だけをする人達が固まっているシマがある。場所はフロアの隅っこで、まるで不毛の地に間違って出来たお花畑のように見える。全員直雇用のパートさんで、よほど暇なのか?このシマはおしゃべりが盛んだ。夕方になると、お腹空いたとパンをむしゃむしゃと食べる人もいる。直属の上司は彼女たちに甘く、注意することもない。この会社って、社員やパートが辞めると、上司のマイナス評価になるらしい。よそ者の派遣は対象外だ。離職率の高い職場って、変な決まりがあるんだね。

 

彼女達がだらだらと働こうが、役に立たなかろうがクビになることはないだろう。中小企業ではまず考えられない。恐らく大企業は法律や就業規則が彼女たちの雇用を守ってくれるのだろう。こんなことを派遣がしようものなら、次の契約更新はまず、ない。派遣のつらい現実だ。

 

オペレーターの中には、ラクそうな仕事をしている彼女たちをやっかむものもいる。でも、私は、ちっとも彼女たちをうらやましいとは思わない。ゆるゆるの環境は、いづれ飽きる。しかも私には関係ないことだ。私が今欲しいのは、ゆるゆるの環境ではない。

 

どこででも通用するオペレーターとしてのスキルだ。

 

そのためには、今、与えられた仕事にしっかりと取り組むこと!

 

それが今の私のミッションである。

 

私の周りは、皆65歳まで働きたいと言っているが私も同じ考えだ。

 

65歳をゴールと考えると、まだまだ先は長い。私のようなノンアクティブ人間は、家にこもると腐ってしまう。

 

私は、今から2年半後、3年ルールに従い一つの節目を迎える。いや、派遣という身である以上、更新打ち切りという形でその日は予想よりも早くやってくるかもしれない。

 

その時・・・・

 

私なら、次も大丈夫!よきにはからえ~

 

と、新しい包丁でも買い替えるような軽い気持ちで、次の仕事にトライしたいと思う。