つつのんの気まぐれ日記

アラカン女子の複雑怪奇な頭の中を書いていきます。

親切には力がある!脳から分泌される得体のしれない不思議なホルモンが私たちを守る!

親切には大きな力がある。親切によって、老化を送らせ、ストレスを軽減し充足感や幸福感を得られると言う。これってエセ情報?と思ったりする方もいると思うが、人は誰でも人に親切をして気持ちが良くなった経験をしたことがあるのではないだろうか。親切をすると脳内で物質的な変化が起こる。幸福ホルモンであるセレトニンやドパーミンは親切と密接にかかわっているのだ。

 

パッチアダムスという精神科医が、重度のうつ病で自殺未遂を繰り返すマーガレットに したアドバイスが、「外に出て人の役に立つことをしなさい」と言うものだった。彼女自身,親切を実行しているうちに本当に鬱が治ってしまう。この話、映画でご存じの方もいると思うが、実話である。うつ病の人は人助けなどとてもできないと普通は思う。自分が助けを求めているのに人に親切にする心の余裕がないのだ。うつ病の人は、自分のことでいっぱいだ。だが今目の前に電車に飛び込もうとする人がいたら、誰だって我忘れて危なくない程度に止める努力をするだろ?この間の時間は自分の心の問題など消えているはずだ。

 

親切は、力を持った人が弱きものに施しをするような類ではない。何も持たないものでも親切を実行することによって、幸福感や充足感を感じることができるのだ。親切とは、何か大きなことや意味のある目立ったことをしなければいけないと思っているなら間違いだ。

 

先日、職場の同僚が受けた一本の電話。見ず知らずの年配の女性からだった。

話の内容は以下の通り。

その日、一人のおばあさんが、たくさんの荷物を抱え横断歩道を渡っていた。おばあさんは点滅する赤信号に小走りを始めたのだが、とっさの動きと重い荷物でバランスを崩した。ヨロケテしまって転んでしまったのだ。その転んだ拍子に両手に持っていた紙袋が投げ出され、中身も飛び散った。おばあさんは年のせいかすぐには起き上がれない。車道の方の信号はすでに青である。おばあさんが転んだ瞬間、信号待ちをしていたトラックに乗っていた一人の青年がおばあさんを助けようと、勢いよく車から飛び出してきた。車道は片道2車線、おばあさんと飛び散ったものをよけるようにして、何台もの車が通り過ぎて行った。そしてその青年だけがおばあさんを起き上がらせ、荷物を拾い、横断歩道から一般歩道まで腕を支え誘導し、おばあさんが一人で歩けるのを見届けて、颯爽と去っていったと言うのだ。同僚はその話を聞き終えるまで、なんで、突然電話をかけてきて、いきなり知り合いでもないおばあさんの話をするのかさっぱりわからなかった。でも、その女性は一通り話し終えると、こう言った。
「お宅の会社のトラックでした!もう、ドラマみたいで感動しました!素敵な社員さんがいるんですね」

私の働く会社のトラックには、大きなロゴが入っている。しかもそれなりに名が知られているので、すぐにどこの会社であるかがわかるようになっている。その女性に場所を聞くと、うちの営業所の管轄エリアだ。

その女性は、たまたま近くを歩いていて、その現場を目撃したらしい。あまりに気持ちが良くて、どうしても伝えたくて電話をしたとのことだった。わざわざ会社の電話番号を調べ、いても立ってもいられず誰かと気持ちを共有したくて携帯で掛けてきたのだろう、声が上ずっていたと同僚は言った。そのせいか、最初は苦情の電話ではないかと身構えたと言う。

「こんな素敵な電話だとはね」と、同僚は笑った。

その話は、同じ仕事をしている同僚全員に伝えられると、その場がかほのぼのとした空気に包まれた。

私たちオペレーターは電話を受けることが仕事だが、ホントに、つまらないことで怒りだすお客様がいる。理不尽だと思いながらも、ただひたすら謝るが、「一番偉い奴をだせ!」と話が大きくなることも珍しくはない。私たちは、誰もがそんな経験をしているので、この電話はうれしかった。「こんな電話ならいつでも歓迎だよね」先週コテンパンにお客様からやられた同僚が明るく言った。

私たちは、配送をしている社員の顔を知らない。同じ会社で働いていても、事務所と現場が顔を合わせることはほとんどない。その顔を見たこともない一人の青年が、通りすがりの女性を感動させ、こんなにもオペレーター達の心を温かくしているのだ。

親切は伝染する!私はそう思う。親切には確かな力があるのだ。

私たちは、直接親切にを実行した本人ではない。ただ親切な一人の青年の話を聞いただけだ。この話は、同僚が報告をしたので上司にも伝わっているはずだが、

「スルーされたよ」

何の反応もなかったらしい。

よって、これが本人の耳に届くことはないだろう。私の会社は業務と関係のないことでは一切評価されない会社だ。会社というところはシビアだ、だからこそ親切が必要なのだが、数字だけを追っている上司には届かない、残念だが。それでも一番充足感を感じたのは、その無償の行為をしたその青年なのだと思う。

 

国語の世論調査で「情けは人のためならず」の意味を聞くと、二つの答えが出るという。

①人に情け(親切)をかけておくと巡り巡って結局は自分の為になる。

②人に情け(親切)をかけて助けてやるのは結局はその人の為にならない。

だいたい、半数ずつに分かれるという。面白いことに、国民の半分が意味を勘違いしていることになる。正解は➀である。

世代から世代へ伝えられてきた言葉は、時として私たちの生きる指針になる。親切は巡り巡って私たちに戻ってくるだけではない。親切をした瞬間に脳にプラスの感情を豊かにしてくれるセレトニンとドパーミンの量を増やし、そして人間関係を豊かにしてくれるオキシトシンを発生させる。その結果、気分の高揚、温かい気持ち、ストレスに打ち勝つパワー、が得られるのだ。

 

最後に有機化学博士のデイビットハミルトンが、自著の「親切は脳に効く」の中で親切の5つの副作用を紹介して終わりたいと思う。

 

➀親切は幸せをもたらす。

②親切は心臓と血管を強くする。

③親切は老化を遅らせる。

④親切は人間関係をよくする。

⑤親切は伝染する。

 

➀④⑤はなんとなくわかってもらえると思うが、②③は、何で親切と関係があるの?と思う方がいると思うが、これこそ「絆ホルモン」または「愛のホルモン」と呼ばれるオキシトシンの力だ。要するに、私たちの神秘的な体は親切によって何か得体のしれない魔法のようなホルモンを発生させ、不思議な現象をもたらしてくれるのだ。

 

まさに、愛は私たちを救うのだ!